「日本スゴイ」ばかりの日本はすごくない
テレビをつけると「日本スゴイ」番組があふれている。曰く「日本のものづくり技術は世界の最先端である」、曰く「日本人のきれい好きと礼儀正しさは世界が礼賛する」、曰く「日本の教育レベルは世界一」、曰く「日本料理の繊細さには外国人が驚嘆する」etc.etc……。しかも、自画自賛ならまだしも、それらを外国人に言わせる番組まで横行している。
どうにもこっ恥ずかしいを通り越して、嘆かわしい気さえしてくる。日本人はそこまで自身を失いつつあるのかと。
このようなときだからこそ、我に返る意味でも、過去にも大変な「日本スゴイ」ブームがあったことを思い出しておいてもよい。
そこで紹介するのがこの本である。
見ての通り、戦前戦中の「日本スゴイ」事例を集めた本である。
目次を開くとこんな感じ。
ほかにも「日本人はお金を求めずよく働く」とか「魚を食うから日本は強い」とか、抱腹絶倒の事例が続出するが、今の日本のテレビ欄もあまり変わりがないように思えて背筋が寒くなる。
そして、巻を開いて冒頭に出てくる画像がこちら。
そこで、今の今、本屋で売ってるこんな雑誌と比べてみよう。
東邦出版 ONLINE STORE:書籍情報/JAPAN CLASS どうせニッポンのことだから
「薄気味悪い」というのは簡単だけれど、「いつまでも外国人にウォシュレットをほめさせてても仕方ないだろう」という冷静さを持ち合わせていたい。