「日本スゴイ」ばかりの日本はすごくない
テレビをつけると「日本スゴイ」番組があふれている。曰く「日本のものづくり技術は世界の最先端である」、曰く「日本人のきれい好きと礼儀正しさは世界が礼賛する」、曰く「日本の教育レベルは世界一」、曰く「日本料理の繊細さには外国人が驚嘆する」etc.etc……。しかも、自画自賛ならまだしも、それらを外国人に言わせる番組まで横行している。
どうにもこっ恥ずかしいを通り越して、嘆かわしい気さえしてくる。日本人はそこまで自身を失いつつあるのかと。
このようなときだからこそ、我に返る意味でも、過去にも大変な「日本スゴイ」ブームがあったことを思い出しておいてもよい。
そこで紹介するのがこの本である。
見ての通り、戦前戦中の「日本スゴイ」事例を集めた本である。
目次を開くとこんな感じ。
ほかにも「日本人はお金を求めずよく働く」とか「魚を食うから日本は強い」とか、抱腹絶倒の事例が続出するが、今の日本のテレビ欄もあまり変わりがないように思えて背筋が寒くなる。
そして、巻を開いて冒頭に出てくる画像がこちら。
そこで、今の今、本屋で売ってるこんな雑誌と比べてみよう。
東邦出版 ONLINE STORE:書籍情報/JAPAN CLASS どうせニッポンのことだから
「薄気味悪い」というのは簡単だけれど、「いつまでも外国人にウォシュレットをほめさせてても仕方ないだろう」という冷静さを持ち合わせていたい。
いざという時のために、一家に一冊『東京防災』
さて、ブログ開設最初の紹介はどんな本にしようかと迷ったのだが、文学でも学術書でもなく、これでいくことにした。
ひところネットでも話題になったので、ご存じの人も多いと思われる。東京都が発行した防災アニュアル『東京防災』である。
イラストも豊富で実によくできている。防災に関して必要な情報が、心構えから日頃の準備、災害が起きた時の対応まで、必要十分な情報がきめ細かくしかもコンパクトにまとめられている。
関西にいる私が入手したのは他でもない。たまたま立ち寄った大阪駅の東急ハンズで現物を販売していたのである。しかも、税込み140円(!)である。もちろんノータイムで購入した。
読めば読むほどよくできている。他都市の人間に東京の地形や避難情報は利用価値は低いが、それ以外のページは凡百の防災マニュアルを寄せ付けない。
じつを言うと、とくにお金を出して買う必要もない。東京都がホームページでPDFを公開している。また、電子書籍版もある。
みなさんも一冊お手元にどうぞ。安心感が違いますよ。
ブックレビューをはじめよう
私は本が好きだ。これからいろいろ紹介して行こう。時事問題と絡めるのもありかと思う。もう手に入らないような本を紹介するかもしれない。